僕たちを取り巻く現代社会は、あり余るほどの商品に取り巻かれ、本当に必要なものとそうでないもの、本当に手に入れたいもの、手にいれておかねばならないものと、そうでないものとの区別が判然としにくく混乱してしまう。そんな社会の中で、僕たちは自分の意志を見失い、自分の居場所にも不安を抱き続けている。資本の論理は勿論そこにつけ込んでくる。
この芝居は、そういう現代の僕たちの姿を残酷な笑いで暴き出す。舞台となるのは、本来最も安全な場所であるべき「我が家」。
そこで繰り広げられるシチュエイション・コメデイはやがて悪夢のような様相を呈して行く。その状況は、まさに現代社会の状況そのものである。
喜劇と悲劇の差は紙一重。その一線を踏越えた怖い喜劇だ。