50周年  その昔、テアトル・コメディという異色の劇団がありました。うら若き長岡輝子さんたちを中心に、昭和6年から11年まで、フランス喜劇を上演し続けたグループでした。そのメンバーの一人、さわやかな二枚目の北沢彪さんを囲んで、敗戦後の昭和25年、若い連中が朗読の勉強会を始めました。「やまびこ会」の誕生です。
やがて、ただの勉強会にはあきたらず、劇団活動を開始。彪さんは「やまびこ会」をヨコ文字にして「テアトル・エコー」と命名して下さった。当時新進気鋭の作家キノトール氏の作品など、生きのいい喜劇を中心に活動を続けましたが、資金難から解散の危機を迎えます。そこへ駆けつけたのがコメディ好きの仲間たち、「やめるなよ、一緒にやろう」と昭和31年9月1日、それまで劇団をころがして来た梶哲也のお宅に、19人の同志が集って大いに気焔をあげ、新しい第一歩が始まりました。この船出の日から数えて、2006年が50周年なのです。

 50年…いろんなことがありました。当時のまだ若かったテレビは、若い僕たちに仕事の場を与えてくれました。いろんな人と会えました。仲間がだんだんふえました。昭和30年代ののんびりした原宿に稽古場を借りましたが、東京オリンピックの道路拡幅工事で追い出され、まだ大正のにおいの残ってた恵比寿に移転。昭和45年、定員79の忍者屋敷のような豆劇場を建設。キノトール氏が大人の風格で僕らの柱になってくれました。井上ひさしさんとは抱腹絶倒のコメディを、酒井洋子さんにはニール・サイモンの面白さを教えて貰いました。新人作家もここで育ちました。そして、平成4年、僕たちの城、ここ、恵比寿エコービルが生まれました。歩きつづけて50年。その間、大切な何人もの同志を失いましたが、若い力強い仲間もふえております。

テアトル・エコー、今後ともよろしくお願い申し上げます。

私たちのモットー

わが国では、長い間、
喜劇が好まれませんでした。
一段程度の低いもの と、いやしめられて来ました。
私たちは、“喜劇”こそ現代を映し得る演劇と信じ、
喜劇の復権を目指します。

集合写真

テアトル・エコー50年のあゆみ

公演回 作品名/できごとなど
1950年 9月   故北澤彪氏を中心としたエコーの前身、「やまびこ会」発足
       
1954年 6月   「劇団テアトル・エコー」と改称、劇団活動を開始
       
1956年 9月   解散の危機を迎えるが、新しい同士を得て再建、劇団活動を拡充
12月   原宿表参道に近い渋谷区神宮前に、初めての稽古場を開設
       
1957年 3月 第10回公演 キノトール作 石川甫演出「ドライアイスの海」
7月 第11回公演 E・ライス作 戸部信一演出「計算機」
       
1958年 2月 第12回公演 K・ゲッツ作 戸部信一演出「婦人科医プレトリウス博士」
8月 第13回公演 キノトール作 キノトール・戸部信一演出「男の中の男」
12月 第14回公演 M・ゴーリキィ作 戸部信一演出「どん底」
       
1959年 6月 第15回公演 P・ユスティノフ作 戸部信一演出「四人の隊長の恋」
11月 第16回公演 岡本克己作 戸部信一演出「夜が追ってくる」
       
1960年 3月 第17回公演 キノトール作 キノトール・戸部信一演出「ミラノを見て死ね」
8月 第18回公演 F・モルナール作 戸部信一演出「リリオム」
11月 第19回公演 太宰治作 栗山昌良演出「新ハムレット」
       
1961年 6月 第20回公演 キノトール作 戸部信一演出「真夏の夜の夢」
       
1962年 7月 第21回公演 キノトール作 キノトール・戸部信一演出「平家物語」
       
1963年 4月 第22回公演 三木鮎郎作ほか 戸部信一演出「イヴとアダム」
11月   渋谷区恵比寿に稽古場を建設
       
1964年 6月 第23回公演 P・ユスティノフ作 江里口喬演出「四人の隊長の恋」
11月 第24回公演 松木ひろし作 キノトール演出「レースの鎧」
       
1965年 6月   稽古場2階に仮設の小劇場「屋根裏劇場」を建設
10月 第25回公演 キノトール作・演出「青年がみな死ぬ時」
       
1966年 3月 第26回公演 松木ひろし作 島田親一演出「オレンジ色の罪状」
  10月 第27回公演 M・アシャール作 江里口喬演出「海賊」
       
1967年 3月 第28回公演 太宰治作 早野寿郎演出「カチカチ山」ほか
10月 第29回公演 R・トマ作 小林泰衛演出「罠」
       
1968年 2月 第30回公演 M・カモレッティ作 キノトール演出「ボーイング・ボーイング」
5月 第31回公演 A・ルッサン作 小林泰衛演出「赤ちゃん今晩わ」
7月 第32回公演 ドストエフスキー原作 熊倉一雄・納谷悟朗演出「罪と罰」
10月 第33回公演 キノトール作・演出「われら今夜の悪夢」
       
1969年 2月 第34回公演 井上ひさし作 熊倉一雄演出「日本人のへそ」
5月 第35回公演 松木ひろし作 納谷悟朗演出「娑婆に脱帽」
       
1970年 7月   わが国初の本格的小劇場「テアトル・エコー」を建設。
第36回公演 井上ひさし作 熊倉一雄演出「表裏源内蛙合戦」(こけら落し)
11月 第37回公演 M・アシャール作 キノトール演出「うるわしのバカ娘」
12月   ●第5回紀伊國屋演劇賞〈団体賞〉を受賞
       
1971年 4月 第38回公演 井上ひさし作 熊倉一雄演出「11ぴきのネコ」
6月 第39回公演 太宰治作 納谷悟朗・熊倉一雄演出「新ハムレット」
9月 第40回公演 井上ひさし作 熊倉一雄演出「道元の冒険」
12月   ●第9回ゴールデンアロー賞〈演劇賞〉を受賞
       
1972年 1月 第41回公演 戸板康二作 キノトール演出「マリリン・モンロー」
7月 第42回公演 M・アシャール作 江里口喬演出「じゃがいも」
10月 第43回公演 井上ひさし作 熊倉一雄演出「日本人のへそ」
       
1973年 3月 第44回公演 井上ひさし作 熊倉一雄演出「珍訳聖書」
7月 第45回公演 井上ひさし作 熊倉一雄演出「11ぴきのネコ」
       
1975年 1月 第46回公演 井上ひさし作 熊倉一雄演出「それからのブンとフン」
       
1976年 2月 第47回公演 F・マルソー作 熊倉一雄演出「みにくいあひるのこ」
7月 第48回公演 奈可七五三原本 十一代喜八欺本 江里口喬演出「法界坊悪行極楽」
       
1977年 1月 第49回公演 P・シェノ作 キノトール演出「中年よ大志を抱け」
10月 第50回公演 A・マリオット/A・フット作 熊倉一雄演出「ノーセックス・プリーズ」
       
1978年 1月 第51回公演 J・ボウエン作 江里口喬演出「トレヴァ」
4月 第52回公演 伊藤裕弘作 江里口喬演出「ホーム・ドラマ」
9月 第53回公演 P・シェーファー作 納谷悟朗演出「ブラック・コメディ」
       
1979年 6月 第54回公演 M・パコム作 キノトール演出「怪盗ママ」
9月 第55回公演 岡本克己作 熊倉一雄演出「一度は行ってみたい地獄」
12月 第56回公演 A・マリオット/J・チャプマン作 キノトール演出「お国のためだ目をつぶれ」
       
1980年 3月 第57回公演 T・ストッパード作 水田晴康演出
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
5月 第58回公演 伊藤裕弘作 江里口喬演出「V・I・P」
9月 第59回公演 N・サイモン作 酒井洋子・キノトール演出「二番街の囚人」
12月 第60回公演 松原敏春作 熊倉一雄演出「純情雪景色」
       
1981年 3月 第61回公演 P・シェノ作 納谷悟朗演出「ブローニュの森は大騒ぎ」
9月 第62回公演 A・ニコライ原作 水田晴康演出「水族館」
12月 第63回公演 P・シェノ作 熊倉一雄・江里口喬演出「地下は天国」
       
1982年 5月 第64回公演 P・シェノ作 キノトール演出「整形手術」
11月 第65回公演 松原敏春作 熊倉一雄演出「恋愛二重奏」
       
1983年 2月 第66回公演 T・ストッパード作 熊倉一雄・江里口喬演出「一発逆転」
5月 第67回公演 P・コホウト作 柴田道広・納谷悟朗演出「地下室の火事」
11月 第68回公演 N・サイモン作 酒井洋子演出「ジンジャーブレッド・レディ」
       
1984年 5月 第69回公演 岡本螢作 熊倉一雄演出「甚助無用鰯烹鍋」
7月 第70回公演 M・パートウィー作 納谷悟朗演出「セックステット」
10月 第71回公演 N・サイモン作 酒井洋子演出「サンシャイン・ボーイズ」
●文化庁芸術祭〈優秀賞〉を受賞
       
1985年 4月 第72回公演 R・クーニィ作 キノトール演出「バレるぞ急げ」
6月 第73回公演 岡本螢作 熊倉一雄演出「夏宵漫百鬼夜行」
10月 第74回公演 N・サイモン作 酒井洋子演出「サンシャイン・ボーイズ」
       
1986年 3月 第75回公演 J・ドヴァル作 キノトール演出「腕ずく」
6月 第76回公演 岡本螢作 熊倉一雄演出「鯵さん鱚さん猫飼好五十三疋」
8月 第77回公演 N・サイモン作 酒井洋子演出「プラザ・スイート」
       
1987年 4月 第78回公演 永六輔作 キノトール演出「歌うならラブソング」
7月 第79回公演 N・カワード作 熊倉一雄演出「陽気な幽霊」
10月 第80回公演 M・ミトワ作 岡田正子演出「日射病」
       
1988年 4月 第81回公演 室土猩作 曽我部和恭演出「知らぬは他人」
8月 第82回公演 N・サイモン作 酒井洋子演出「プラザ・スイート」
11月 第83回公演 A・エイクボーン作 江里口喬演出「ふたつの恋」
       
1989年 2月 第84回公演 田畑喜十作 熊倉一雄演出「さくらの苑におぼろなる」
5月 第85回公演 R・ゴールトン/J・アントロバス作 キノトール演出「ズボンが…ない!」
11月 第86回公演 P・シェノ作 納谷悟朗演出「大晦日は脱獄囚と御一緒に…」
       
1990年 2月 第87回公演 F・モルナール作 三田地里穂演出「芝居は最高!」
9月 第88回公演 R・トマ作 上原一子演出「八人の女」
11月 第89回公演 M・サットン/A・フィングルトン作 キノトール演出「正しい殺し方教えます」
       
1991年 2月 第90回公演 岡本螢作 熊倉一雄演出「匿名シネマ」
10月 第91回公演 旧テアトル・エコー劇場最終公演
J・ロージェ作 戸部信一演出「風と気まぐれ」
12月   現在地・渋谷区東3丁目に、劇場・録音スタジオ・ビデオ編集室等を備えた総合的創造空間として、地下1階・地上8階建てのエコービルを建設
       
1992年 4月 第92回公演 新劇場オープニング記念連続公演(1992年4月〜1993年3月)
井上ひさし作 熊倉一雄演出「表裏源内蛙合戦」
9月 第93回公演 N・サイモン作 酒井洋子演出「カリフォルニア・スイート」
11月 第94回公演 F・ダンロップ/J・デール作 三田地里穂演出「スカピーノ!」
       
1993年 3月 第95回公演 R・クーニィ作 キノトール演出「情事だジョージ非常時だ?!」
7月 第96回公演 J・Sホールム/J・アボット作 西川信廣演出「馬かける男たち」
11月 第97回公演 M・ラングリネ作 岡田正子演出「ダニエルのとんだ休日」
       
1994年 4月 第98回公演 M・サットン/A・フィングルトン作 キノトール演出「正しい殺し方教えます」
9月 第99回公演 シェイクスピア原作 水田晴康演出「リチャード三世-薔薇と道化と王冠と-」
       
1995年 5月 第100回公演 A・エイクボーン作 勝田安彦演出「ボディ・ランゲージ」
10月 第101回公演 J・Sホールム/J・アボット作 西川信廣演出「馬かける男たち」
       
1996年 4月 第102回公演 G・ロッソ/M・モド作 戸部信一演出「カッコーのかくれ家」
11月 第103回公演 J・オートン作 栗山民也演出「狂っているのは誰?」
       
1997年 5月 第104回公演 P・オズボーン作 西川信廣演出「あしたも7時」
12月 第105回公演 永井愛作・演出「ら抜きの殺意」
       
1998年 4月 第106回公演 モリエール作 三田地里穂演出「病は気から」
11月 第107回公演 N・サイモン作 酒井洋子演出「サンシャイン・ボーイズ」
       
1999年 5月 第108回公演 M・エーメ作 戸部信一演出「他人の首」
11月 第109回公演 N・サイモン作 酒井洋子演出「23階の笑い」
       
2000年 8月 第110回公演 S・ブロック作 勝田安彦演出「チンプス-特選リフォーム見積無料!?-
11月 第111回公演 氷室冴子原作 壤晴彦演出「ざ・ちぇんじ!
       
2001年 4月 第112回公演 K・ウォーターハウス/W・ホール作 西川信廣演出「うそつきビリー
11月 第113回公演 R・シャール作 熊倉一雄演出「妻の名はモーリス
       
2002年 4月 第114回公演 J・チン作 酒井洋子演出「シルヴィアの結婚
5月 第115回公演 永井愛作・演出「ら抜きの殺意
8月 第116回公演 キノトール作 戸部信一演出「青年がみな死ぬとき
11月 第117回公演 N・サイモン作 酒井洋子演出「サンシャイン・ボーイズ
       
2003年 2月 第118回公演 小川未玲作 熊倉一雄演出「ちゃんとした道
5月 第119回公演 野田治彦作 西川信廣演出「屋上桟敷の人々
8月 第120回公演 J・チン作 酒井洋子演出「九月になれば
11月 第121回公演 A・エイクボーン作 勝田安彦演出「ドアをあけると…
       
2004年 3月 第122回公演 森江賢二作 納谷悟朗演出「マチのモノガタリ
5月 第123回公演 小川未玲作 保科耕一演出「もやしの唄
7月 第124回公演 岡本螢作 永井寛孝演出「星逢井戸命洗濯
9月 第125回公演 岡本螢作 永井寛孝演出「半変化束恋道中
11月 第126回公演 J・マレー/A・ボレッツ作 酒井洋子演出「ルームサービス
●文化庁芸術祭〈大賞〉を受賞
       
2005年 3月 第127回公演 ジョージ・F・ウォーカー作 青柳敦子演出「エスケープ フロム ハピネス
5月 第128回公演 水谷龍二作 永井寛孝演出「朝の時間
11月 第129回公演 J・チン作 酒井洋子演出「暗くなったら帰っておいで-イディの一生-
       
2006年 6月 第130回公演 野田治彦作 西川信廣演出「キメラの山荘
11月 第131回公演 本庄慧一郎作 永井寛孝演出「大都映画撮影所物語

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