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テアトル・エコー公演137 風と共に来たる |
| ロン・ハッチンソン:作 酒井洋子:訳・演出 |
| <訳・演出 酒井洋子> |
“ひさしぶりの新作演出です、面白くなければやりません” 一昨年、ロンドン在住の友人から「面白い芝居を見て興奮してます、ぜひエコーで演出してみてください」と勧められたのが、「ムーンライト&マグノリア」(“南部の甘いロマンス”の意)という2幕のコメディ。早速、本を取り寄せて読んだら、これが無茶苦茶に面白いのです。題材は名画「風と共に去りぬ」を世に送り出した実在プロデューサー、作家、監督の、大詰め五日間の脚本書き直しの大苦戦、ほとんど極限状態での葛藤でした。 「風と共に去りぬ」のメーキングは新潮社からも一冊の本が出ているほどで、その逸話は百を下らないでしょうが、なかでも映画史に名を残した3巨人―セルズニック、ベン・ヘクト、ヴィクター・フレミングの人間くさい、涙ぐましい奮闘ぶりほど、作品を世に送り出す仕事に関わっている者のインスピレーションを刺激し、鼓舞するものはないと思います。私はこの戯曲に惚れ込んで劇団エコーに上演を勧め、上演が決まりました。 折りよく、昨年の夏、ロンドンで再演されるという知らせが入りました。それっとばかりに、私はその前の週に骨折した足指をかばいつつ、ロンドンのトライサイクル・シアターに飛んで行きました。再演の舞台は、痛みをすっかり忘れさせるほどパワフルで、鮮やかで、加えてよい舞台作品の条件ともいえる知性、肉体性、笑いの3拍子が揃っており、私は自分の選択に自信を深めました。 あの映画を知る人も、知らない人も、この男たちの“産みの苦しみ”を一緒に味わっていただけたら、必ずスカッとした達成感と高揚感を胸に劇場をあとにできるだろうと、信じています。 シカゴ初演に始まり、ロンドンはもとより、フランス、ドイツでも上演された当作品を「風と共に来たる」として日本でも初演できることを、とても嬉しく、誇らしく思っています。ぜひ、ぜひ、見にいらしてください。
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